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日々、体軸づくり(筋肉のスイッチ「ON」)

本日の一言です。

 

「あれっ?私、前回このトレーニングですごくグラグラしてましたよね?えっ、今は全然グラグラしません。何で?」

 

自分の身体の変化に驚かれている様子でしたね。素晴らしい!

今回は「なぜグラグラが無くなったのか」について少しだけお話しさせて頂きます。

 

この一言を頂いたのは「体軸づくり」の中のお尻のトレーニングの時です。前回は負荷に対しての股関節の動きが安定せずお言葉通り「グラグラグラグラ」という状態でした。これはバランス能力が低下していることにより発生する筋肉の出力が安定していない状態です。この「バランス」という言葉がかなりの曲者でよく使われる言葉である割に、「何となく」便利な言葉として乱用されている感が否めません。辞書で調べると「釣り合い・均衡・安定・調和」という意味があります。

 

・・・で?という話ですが、今やっている動作において「バランス」って何でしょうか?ということを考えるとまず第一に「転倒しない事(基本姿勢の安定)。」が挙げられます。この「バランス」はすべての動作の基本ですね。

 

そして第二に、「股関節の動作の安定(フォームの安定)」が挙げられます。これを「第二に」とあえて表記したのは、「第一に」の基本姿勢の安定が出来ていなければ、動作の安定はあり得ないからです。これは当たり前のようで非常に大切です。現役の運動選手でも軽視されているなぁ〜と感じてしまうことが未だにあります。まだまだ伸び代があるのになぁ…という感じです。

 

今回の「グラグラの改善」は基本姿勢の安定によるものです。「体軸づくり」ではあらゆる動作で基本姿勢に一定の負荷をかけている状態なので「意識することなくバランス能力に関連する筋肉が刺激される」ということが起こります。つまり、本人が氣がつかない間にも普段の生活では刺激されないような筋肉が刺激されているということです。

 

だから、「あれっ?」とか「えっ?」という感覚になるのだと思います。「そんなに激しい負荷をかけた訳でもないのにそんなに身体って変化するの?」という感覚です。

 

ご存知の方も多いと思いますが、トレーニング初心者の場合はトレーニングをした時にいきなり筋肉が発達するということはほとんどなく、まずは「神経系」が発達し始めます。「ずっとそこにはあったんだけど、しばらく電源をいれていなかった筋肉の電源を「ON」にした。」という変化ですね。使えていない筋肉は役に立ちませんが、適度な刺激を入れることで筋肉の電源は「ON」になります。そうすれば、それが「バランス」に関係する筋肉であれば機能が改善するのは当たり前なのです。なるべくしてなっている。簡単に言えば、「体軸づくり」でスイッチを入れただけです。

 

トレーニングを日頃からされている方でも注意が必要なのが、「私は普段から鍛えていますよ。」という方でも「刺激が入っていない筋肉は鍛えられていない。」という事実を本人が認識されていない場合があるということです。

 

「鍛える」、素晴らしい響きです!しかし、「何を?」を無視・軽視していると「何となく」鍛えたつもりになってしまい本来持っている能力を出し切ることなく「自分の限界」がやってきてしまうということが起こります。これは残念ですね。

 

施術の現場では様々な症状を訴えて来院される方々と接します。多くの場合この「基本姿勢の安定」に関係する筋肉のスイッチが「ON」になっていません。そこが原因で似たような症状を繰り返し引き起こしている方の場合、ここが「ON」になるだけで「最近、痛くなることがほとんどなくなったのよ。」ということは容易に起こります。

 

電源を「OFF」にした状態で日常生活を送っていれば、怪我をしやすくなるのは当然ですよね。