本日は穏やかなご夫婦のご来院でした。施術を受けられたのはご主人さんで主な症状は坐骨神経痛と言われる症状であるとのこと。日常生活における栄養摂取状態の確認のため食事についてお聞きしたり、栄養素と細胞の関係、遠隔施術のイメージなどを説明させていただいた後、いざ施術開始です。M Sの提示は「I M:右菱形筋(弛緩)」からスタートです。初めての施術でいきなり「I M」。昨日に引き続きご家族の目の前での遠隔施術という形となりました。「どうですか?」とお聞きしたところ「まだ氣になるけど、なんか軽くなった感じがする。」とのこと。最初の「I M」で変化を感じられる場合の多くは身体の大きな変化に繋がることは日々の臨床で経験しているのでこの瞬間に「改善するか、しないか。」ではなく「どれだけの症状を改善できるか。」ということに自分の意識の焦点が移っていることに氣がつきました。この感覚は新鮮な発見でしたね。やはり場数を重ねることによって得られる氣付きも変化してくるということですね。
続いて「右棘上筋」との提示があったため、施術を行い、動作を確認していただくと「あれ?少し右脚も軽くなっとるわ。」とのこと。はじめに図示も含めてお話しさせていただいた「遠隔施術」のイメージと全く違わない変化が起こったので、その後はスムーズに施術が進んでいきました。
施術の流れの中でご主人さんに「正座ができない」というお話をお聞きしたのでそれに対してM Sをかけてみると、「I M」を含む様々な施術が提示されたので、それに従って施術を進めると奥さんが「お父さん…正座出来とるが。」と一言。ご主人さんも「正座はずっとしてなかったし、しようとも思わなかったけど、これは…出来とるなぁ。」とのこと。素晴らしい!
もしかするとこの正座が出来ない状態の膝を庇っての日常生活が、主症状である「坐骨神経痛」に繋がっていた可能性をお話しさせていただくと、「なるほど!」と納得していただいたようです。ご自身の身体をちゃんと観察する。その観察すべきポイントをちゃんと提案するのが私の役割の一つです。原因を見定めて施術を行わなければ、症状の改善は起こらない。
「痛みというサインを出している本体がどこなのか?何なのか?」
当院が患者さんの身体を観察するにあたって最重要視するのがこのポイントです。「痛み」はただのサインに過ぎない。アラームに例えてもいいでしょう。アラームを出す原因がなくなればアラームは消えます。アラームは必要があって鳴っているのですから。
例えば、大きな工場でガスが漏れ出たらセンサーが感知して大きな音で「アラーム」が鳴りますね。緊急事態ですから。この場合に最初にすべきはアラームを止めることではなくて、ガス漏れを止めることです。ガスが漏れている状態で「うるさいから」という理由でセンサーを壊して鳴り響くアラームを無理やり止めても、工場内は漏れ続けるガスで充満します。ここで何かのキッカケで火が起これば、その瞬間にこの工場はドッカン、大事故です。センサー・アラームは工場を守るためにあるんだという事がわからなければこんな大事故も起こりうるのです。
「痛み」というのは感じの良いものではないので早く無くしたい氣持ちもわかりますが、「なぜ痛みが出ているのか?」ということに焦点を当てた自己観察が出来ると様々なヒントが見えてきますよ。「痛み」は「原因」を探るためのありがたいサインである。このサインに基づいて「思考する」習慣がつくと、確実に健康レベルは向上します。ここがわかれば「痛み」に対しても「大ごとになる前に知らせてくれた!ありがとう!」と感謝できるかも知れませんね。
伝えたい事が多いと、文章が長くなってしまいますね…。話を本日の施術に戻します。
正座の形が出来るようになったので後は正座の質をあげることに焦点を当てて「M S」で探っていくと、動作確認のたびにご主人さんの姿勢が「美しい正座」に近づいていったので、ご夫婦が驚くのと同じように私も驚きました。M Sでできる限界まで施術させていただきました。
その後、「◯◯が氣になる」というお話もお聞きしたので「これはやったことがないので実験になりますが…」と前置きさせていただいた上でM Sをかけさせていただくとポイントが提示されたため施術してみると◯◯も変化の兆しが見られたので、M Sの可能性を感じさせていただきました。感謝しております。
素直さ。「M S・I M」による大きな変化にはこれが本当に大切であるということが今日もよくわかりました。遠方よりご来院、ありがとうございました。