手術をすべきか、しないでおくべきか。

本日は朝のトレーニングで同じ症状を抱えたAさんとBさんが一緒になりました。現在痛みが継続しているAさんと、同じ症状を乗り越えたBさん。Bさんは可動域の制限はあるものの痛みは全く無くなっている状態です。Aさんが是非ともBさんとお会いしたいとのことだったので、本日、一緒にトレーニングする機会を設けさせていただきました。

 

Bさん「痛いのにこんなトレーニングをして大丈夫なの?って思うよねぇ!」

Aさん「そうですねぇ。(苦笑い)」

Bさん「でしょ?本当に痛いんだから。私も何回も途中で来なくなったもの。もう無理って。しんどいトレーニングしてもすぐに痛みが取れないんだもん。」

院長「Bさんは大変でしたねぇ・・・。もう、疑いの眼差しがひどかった。(笑)」

Aさん「でも今は痛みが無いんですよねぇ?」

Bさん「不思議やけどね。動く範囲に制限はあるけど、痛みは全くないのよ。」

Aさん「それがすごいよねぇ。先生、なんでBさんの痛みが取れたの?」

院長「正直な所・・・わかりません。『トレーニングと適切な栄養摂取の効果です!』ときっぱり言いたいのですが、人間の身体はそんなに単純じゃない。当院の様々なサポートの影響はほんの一部でしょう。患者さんの自然治癒力が全てです。

 

院長「私に出来る事を精一杯やらせていただく。氣功を含めた運動・栄養・休養・意識・・・様々な視点から患者さんの現状を把握し、対策を考え、行動の根拠を示した上でそれを実行していただく。私にできるのはここまでです。それが望んだ結果に結びつく保証などどこにもありません。」

 

院長「痛みを抱えた患者にトレーニングを課す。『寝てたら痛くないから寝てなさい。』って病院では優しく言ってくれるのに!って思われていることもあるでしょうし、『患者にトレーニング?平和の院長は狂ってる!』って思われて来られなくなった方も過去には少なからずいらっしゃると思いますよ。でも、私は細胞レベルで人体を捉えた場合に、自然治癒力の存在に大きな信頼を置いていますから、患者さんが変化する可能性を考えて、それをお伝えして、根拠を示したうえで必要な行動を実行していただく。それだけです。やるべき事の基準が揺らがないですね。それで結果が全くでない施術所なら潰れればいい。いらないでしょ?そんな施術所。患者さんにとってどんなに耳に痛い事であろうが、言うべきことは言わせていただきます。これで鬼軍曹とか言われるんですね。『食べ物が悪い!』とか・・・平氣で言いますよ。(笑)もちろん、その根拠は示します。」

 

 

症状の重い患者さんで多くの方が悩まれている事に

 

「手術を勧められているが、すべきか、しないでおくべきか。」

 

・・・というものがあります。本当に難しい問題だと思います。私は手術推進派でも、否定派でもありません。立場上、手術を選択しない方々の症状に対して可能なアプローチをさせていただく事が多いという事実はありますけどね。

 

<「絶対手術しかない。」と言われても、多くの方が手術に踏み切れない理由>

 

〇手術をしてもよくなる保証がない。手術をすればよくなる可能性がある。

 →そのとおり。未来はわからない。

〇手術をして現状より悪くなった人を知っている。その現状も知っている。

 →「自分もそうなったらどうしよう。」という恐怖心が生まれる。現状のままの方がいいのではないかと思って手術に踏み切れないでいる。こういう方が本当に多い。私自身がもし同様の症状で悩まされた場合に一番引っかかるポイントがここだと思います。

〇手術をせずに乗り越えた人を知っている。

 →これは本当に大きい精神的な支えになりますね。出来る事なら多くの方がこうありたいのですから。

〇手術において同意書を必ず書かされる。

 →失敗の二文字がちらつくし、場合によっては命がけである場合がある。実際に何が起こるかわからないから病院も同意書は書いてもらうより仕方がない。本人にとって症状に対する自分自身の主導権が全くなくなるという事を意味する。

〇仕事や家族内での役割により、会社を休んだり、家を空けるわけにいかず入院できない。

 →この場合は、手術は選択肢から消えるため、覚悟が決まりますね。この場合、手術以外で症状に対するアプローチをするしかありません。そして、その際に患者さん自身の心の支えになるのが似たような症状を「手術をせずに乗り越えた人」が存在するかどうか。・・・という事です。

 

手術をする、しないというのは本当に大きな決断であるため安易なアドバイスは出来ません。手術をして、その後元氣にされている方も実際に存在しますから、すべての手術が悪いとも思いません。

 

しかし、トレーニングや栄養摂取の見直しなどで、ご自身の症状に少しずつでも変化が出ている場合は、それほど手術を焦る必要はないのではないかというのが私の考えです。そこで「手術をしなければ、絶対に今より悪くなる。」という言葉が多くの患者さんを悩ませているようですが、その悩みは同様の症状を手術以外の方法で乗り越えた方々の実際の声で大きく緩和されるというのも事実です。

 

当院はもちろん手術など出来ませんから、患者さんの症状に対する施術は手術以外となります。

 

来院される患者さんの中には

 

「『絶対手術しかない。』と言われたんだけど、事情があって手術は出来ないの。」

 

・・・という方も多くいらっしゃいます。そして困った事に「絶対、無理。」と言われていた患者さんの中には、努力の末にそれを乗り越えてしまう方がポロポロいらっしゃるという事。これ、本当に困るんですよね。「絶対」って何よ?ってなるんです。患者さんの中にはこの「絶対」という言葉があるばっかりに精神的に大きな負担を感じられている方が多数いらっしゃいます。軽い感じで「絶対」を使われると話を本氣で聞いている側、言われる側は本当に困るんですよね。

 

患者さん「なんで乗り越えられたのかしら?」

院長「さあ・・・自然治癒力としか言いようが無いですね。」

患者さん「自然治癒力って何よ?」

院長「う~ん、傷が出来て出血したら、いずれかさぶたが出来る・・・それでポロっと取れる。・・・みたいな感じですかねぇ。」

患者さん「骨も筋肉も?」

院長「多分、全部そうだと思いますよ。・・・まぁ・・・わかりませんけど。」

 

未来はわからない。自然治癒力の可能性もわからない。事実に基づき自分で決断を下し、今できる事を、全力でやる。

 

手術も、それ以外も、選択するのは自分自身です。私は日々、結果という事実を積み重ねるのみです。